すると寝室のほうから、中高年の男女がキャッキャはしゃぐ声が聞こえてきた。嫌な予感しかしない。そちらのほうをこっそり覗いてみると、2組の敷布団を土俵に見立て、両親が相撲を取って遊んでいたのだ。
当時ふたりは、すでに65歳! しかもマサルはわざと負け、倒れ込みながら「うわ、強いな~。ただいまの決まり手ははたきこみ、はたきこみでトシコ山の勝ち~」とご機嫌MAXの様子。まったくこちらの存在に気づいてないため、そもそも息子としてこの乱痴気をやめさせたい一心で「俺だよ!」と大きな声で言うも、マサルは「おう」と一瞬振り返っただけ。続けて「よし、トシコ! もう一番だ!」、「は~い!」。
趣味や新たな恋に走るのがいいか、それはわからないが、この夫婦は素敵だ。
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