所信表明演説 成長と分配の具体策が肝心だ
2021/10/09
安倍内閣も「成長と分配の好循環」を掲げていたが、成長戦略は不発に終わり、分配は道半ばだった。経済政策の柱とする以上、実効性のある施策を明示し、目に見える成果を出すことが重要だ。
朝日
(社説)初の所信表明 信頼と共感 遠い道のり
2021年10月9日
経済政策については、格差と分断をもたらした新自由主義的な政策の転換を強調した。ただ、ビジョンの具体化は、今後つくる「新しい資本主義実現会議」にゆだねられた。働く人への分配強化策として具体的に挙げた、賃上げ企業への税制優遇は安倍政権下でも採用され、効果は乏しかったのが現実だ。総裁選の公約にあった金融所得課税の見直しは盛り込まれなかった。税制を通じた再分配の強化に及び腰では、格差是正の本気度が問われる。
毎日
分配の元手となる財源を確保するための税制改革や、社会保障制度改革の具体策も示さなかった。目前に迫る衆院選をにらみ、国民に負担を強いる施策への言及を避けたとみられても仕方がない。
産経
新しい資本主義をめぐって、成長戦略と分配戦略を「車の両輪」と位置づけた。その問題意識は正しいが、肝心なのは政策の具体化である。経済対策にとどまらず、労働分配率の向上や看護、介護、保育の現場で働く人たちの収入増などを確実に実現してほしい。
東京
日経
多くの時間を割いたのが経済政策だ。衆院選後に策定する経済対策で当面のコロナ対応と景気刺激に万全を期す。そのうえで成長と分配の好循環による「新しい資本主義」を打ちだし「『成長も、分配も』実現するためにあらゆる政策を総動員する」とした。
成長戦略では、デジタル、グリーン、人工知能(AI)、量子、バイオ、宇宙など先端科学技術の研究開発に大胆に投資するとし「民間企業を全力で応援する税制を実現していく」と述べた。
一方で、財源や規制改革への踏み込み不足は否めない。
世の中意見はたくさんある。ある政策について賛成も反対もある。すべての意見を聞いていたら何もできない。意見を聞くのは大事だが、聞いた上で指導者のヴィジョンを重ねて果敢に断行しなくてはならない。そして、そのスピード感も大事。
八方美人でまごまごしていると誰からも嫌われて短命政権にならないとも限らない。
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