2022年3月1日火曜日

古い脅威と東方拡大

 池田信夫 Retweeted

NATO東方拡大がなければ、現在のNATO加盟諸国を含む東欧全域が、今のウクライナみたいになっていた

かどうかはわからない。

しかし、キューバ危機などのアメリカの反応からして、NATOの東方拡大を嫌ったのは理解できるし、事実

変わるヨーロッパの安全保障の枠組み




冷戦が終わったとき、敵が消滅した。当然ながら使命を失ったのであるから、組織自体も不要である、との意見が出た。とくにロシアは、NATOに対抗してきたワルシャワ条約機構(WTO)が解体したのだから、NATOも解体し、東西を包摂する欧州安全保障協力会議(CSCE、後にOSCE)がヨーロッパの新しい安全保障組織になるべきである、と主張した。

ところが、アメリカのクリントン政権(1993年1月~2001年1月)は、民主主義圏の拡大を掲げており、再選を有利に運ぼうとの思惑もあって、政権第2期内での加盟国拡大を決定した。この結果、1999年3月、旧東欧であったポーランド、チェコ、ハンガリーの3国がNATOに正式加盟を果たした。
 ロシアはこの動きに激しく抵抗したが、結局、条件闘争となった。NATO側も配慮を示し、ロシアの特別な地位を認め、NATO・ロシア基本文書が調印されている。

NATO・ロシア基本文書
(Founding Act on Mutual Relations, Cooperation and Security between NATO and the Russian Federation)
NATO拡大に当たって、NATOとロシアとの間の関係を定めた基本文書(1997年5月27日調印)。文書は前文で両者が互いを敵とみなさないことを述べ、相互の協議、調整、可能な場合は合同の意思決定・行動をするための常設合同評議会(PJC NATO‐Russia Permanent Joint Council)を設置することを決めている。しかし、実際にはNATOの各種会合の決定事項をロシアに口頭説明する場にすぎず、99年のNATOによるユーゴ空爆時にはそのことが端的に示され、ロシアは以後1年以上、NATOとの接触を凍結した。

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Gesture =うわべだけのそぶり


東方拡大を嫌悪していた。


NATO東方拡大がプーチンの不安と怒りを惹起し、今日の侵略の動機の一つになっているとしても、しかし、だからといって侵略は正当化できない。

彼は他の方法で抗議することもできた。

ちゃんと論理的区別しないとまずい。

例えば、

太郎はAを殺した。(犯罪)

太郎はからかわれていた。(動機)

BさんとCさんがいじめた。(環境)

BさんとCさんに責められるべき点があるとしても太郎の殺人は許されない。殺人は許されないとしてもBさんとCさんに責められるべき点がなかったわけではない。 

 



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