2022年5月5日木曜日

アメリカにも落ち度があるというと「どっちもどっち」論だ!にもっていこうとすると人たち。

秋山氏 

ロシアの違法な武力行使と、「西側の外交的失敗」を等置させて論じるのは大いなる違和感。外交の失敗ということでは、すべてを西側の責に帰するべきものではない。なぜ東欧諸国は自らNATO加盟を求めたのか。そのような流れこそ、ロシアの外交の失敗ではないのか。

また、外交フェーズの終わりに、戦争を決心した権威主義的リーダーにどのような提案をしたら侵略を思いとどまるのか考えたことがあるのだろうか。とりあえず「プーチンを悪魔化して責任逃れをする」と言って何か気の利いたことを言ったつもりになるのは、どうも薄っぺらに見える。


違法な武力行使の禁止は、現代の国際社会を構成する最も根本的な価値として扱われなければならない。ロシアの地政学的勢力圏(影響圏ん)をめぐる「国益」との間で相対化されるべきものではない。今、「どっちもどっち」論を認めた

師丘カリーナさん

 

 プーチン大統領の動機がなんであれ、ウクライナ侵攻や民間人を標的にした無差別で犯罪的な武力行為はとても正当化できるものではない。抵抗するウクライナ人の姿は感動的であり、彼らを支援する民間の諸活動も賞賛に値する。


気がつくと、いつもは大国同士の利害をめぐる複雑な対立構造を紐解ひもといてみせるジャーナリズムがなりをひそめ、「自由と民主主義」対「強権政治」の戦いという、わかりやすい単純化が一流メディアでも定着している。

プーチンの暴挙だが…西側の外交的失敗も

これはプーチンの暴挙であると同時に、西側の外交的失敗でもある。NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大問題、プーチンの世界観と心理状態と誤算、それらを把握しているはずなのに採られなかった戦争回避策。これらと向かい合うことなく、プーチンを悪魔化して責任逃れをする「世界のリーダーたち」は、どうも薄っぺらに見える。これではこの戦争の教訓は、またしても活かせない。

 西側の指導者たちが、プーチンの世界観や心理状態をはっきりと把握していたのか、というと ・・・それはないだろうな、と思う。あれだけ対話を続けたマクロンだって把握できなかっただろう?

 しかし、一方については暴挙と言って非難し、他方についても暴挙と非難しているならともかく、他方については、外交的失敗、と言って批判しているだけであるのに、それやったら「どっちもどっち」で双方についての失敗や責任を「等置させ」たことになるのけ? 

 NATO東方拡大には東欧の意思もありました、ロシアの落ち度もありました、ウクライナ侵略についてはロシアが侵略意思を自由に発動させた結果でありロシアが全面的に悪いです。

 ツイッター界隈で活躍している国際関係論の日本の学者さんたちは、だから、アメリカに落ち度は一切なかったと思っているわけ?あれだけ影響力のあるアメリカがその経緯においてなんの落ち度もなかったのけ?

 で、いま現在進行中の戦争に関するアメリカの支援、指導もアメリカの利権なしに「自由と民主主義」対「強権政治」の戦争だと思っているのけ?

 そうした見方こそ、まさに薄っぺらだと批判されているわけじゃないのけ?










 

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